やつば池散歩道の片隅に1本のビワ(枇杷)の木があります。
その木には今、黄橙色の実がたくさん付いています。

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このビワの木は、散歩道の外にあり、個人の土地の所有者が池の周回路が散歩道として整備される前に畑に植えられたもののようです。

枝先には大きな実がいっぱいあります。
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ビワは江戸時代末期に日本に導入され、葉っぱや実に薬効があり、「大薬王樹」とも呼ばれました。
各家庭の庭などに多く植えられて、民間療薬として親しまれてもいます。

葉を乾燥させてビワ茶とされる他に、直接患部に貼るなど生薬(枇杷葉(びわよう))として用いられてきました。
葉の上にお灸を乗せる(温圧療法)と葉の成分の鎮痛作用により神経痛に効果があると言われています。
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果肉は甘く、生食されるほかに缶詰などに加工されていますが、種子が大きく廃棄率が30%以上もあるそうです。

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でも、その貴重な果肉は、ゼリーなどの菓子や、ジャム等にも加工されて食べられています。

果実には、咳を鎮めたり、喉の渇きなどに対して、効能を発揮するとも言われています。

果実酒として楽しむ人もいます。
氷砂糖とホワイトリカーだけでも作れますが、ビワは酸味が非常に少ないので、皮むきレモンの輪切りを加えて漬け込むと美味しくできるそうです。


また、果肉を用いずにビワの種子のみを使ったビワ種酒は、杏仁に共通する芳しい香りを持ち、通の間で好まれている使い方もあります。

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いろいろと楽しみ方があるビワですが、ビワの実ははキウイやメロン、洋ナシなどのような追熟させて美味しくなる果物ではありませんので、買ったらすぐに食べるようにしましょう。
長く置いていても傷んでしまうだけです。
また、非常にいたみやすいので、手に持つときは、そっとやさしく触るようにしてください。