毎年6月の第4日曜日に、熱田神宮の行事の「大高斎田御田植祭」が行なわれます。


名古屋市緑区大高町に鎮座する、熱田神宮摂社(せっしゃ)の氷上姉子(ひがみあねご)神社の境内にある大高斎田(さいでん)に稲の苗を植えて、五穀豊穣を祈るお祭りです。
昭和8年(1933年)から1度も途切れることなく行なわれているという伝統的な儀式です。

6月22日(日)、小雨が降る中でしたが、例年通りの御田植え祭りが行なわれました。
大高斎田の前には熱田名物の老舗から奉納された幟が立てられていました。

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儀式の始まりは午前10時からなので、その前に斎田から少し離れた場所の氷上姉子神社の本殿の方へ行ってみました。

 
今日の祭りの主人公である、萌葱(もえぎ)色に大きな白い水玉模様の衣装に、すげ笠を持ち、赤だすきの早乙女姿の女性と黄色の衣装を着た衣冠(いかん)姿の奉耕者が拝殿前で準備をしていました。
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そして9時45分ごろに、祭りの関係者らおよそ70人が拝殿前に整列しました。
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9時50分、白い衣装の熱田神宮から来られた神官の方が5人、社務所の中より出てきて、手を清めます。
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9時55分、神官が整列して斎田へ向かっていよいよ出発です。
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神官の後に続いて、拝殿前に整列していた早乙女や奉耕者や来賓者が、斎田に向かって進んでいきます。
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神社の拝殿前から斎田まで、およそ300メートル、行列はゆっくりと歩いていきます。
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午前10時ちょうど、斎田の横に設けられた神前で、豊作祈願の儀式(神事)が厳粛に始まりました。
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祝詞奏上、玉串奉典とテントの中の神前で式が進められていきます。
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およそ25分の神事が行われた後、奉耕者代表が神官より、先日(6月18日)に行なわれた、熱田神宮境内にある御田神社の御田植祭で、丈夫で良い稲に生育するよう呪力(じゅりょく)を受けパワーアップした玉苗を受け取りました。
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そして10時30分、いよいよ田植えの始まりです。
早乙女は菅笠(すげがさ)をかぶり準備をします。
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準備ができたら、並んで田んぼの畦道(あぜみち)に進みます。
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10人の早乙女が畦道の上に大高斎田の立札を中心にして十の字に並びました。
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苗を植える前に、笛や太鼓で演奏される大高斎田の田植え歌に合わせて、畦道の上で優雅に田舞(たまい)を舞います。
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ゆっくりとした動作で舞いを奉納し、豊作を祈願します。
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後半には、二人ペアーで舞う姿もありました。
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およそ6~7分、畦道での舞いの後、田んぼに入って田植えをします。
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斎田のほとんどの田んぼには既に苗が植えられており育っています。
田植え祭のために一部の部分の、苗の植えてない場所が残してあります。
その場所に、10人の早乙女が横一列に並んで、田植えの始まりです。
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田舞いの時と同じように田植え歌が流れ、歌にあわせて、稲の苗を丁寧に手植えをしていきます。
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奉耕者の男の人が、早乙女に苗の束をタイミング良く渡しています。
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5分ほどで田植え歌の演奏が終わり、苗が10列ほど植えられたところで、田植えが終わりました。
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生憎の雨模様の日でしたが、斎田の周りには、古式豊かな伝統的な行事を見ようと、熱心な観衆がたくさん来ていました。 
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10時55分、すべての式典が終了して、神官の方が、氷上姉子神社の社務所に向かいました。
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斎田の近くの足洗い場では、無事に役目を終え、ホッとした早乙女たちの姿がありました。
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初夏を彩る、氷上姉子神社大高斎田で古式ゆかしく行われた熱田神宮の御田植え祭り。
農作業の機械化が進み、田植え機で植える姿しか見なくなった昨今、手植えでの田植えの様子を見られる希少なものになってしまいました。

大高町で生まれ育った私にとっては、いつまでも、この御田植え祭りが続くことを願っています。