10月25日(土)26日(日)の2日間、蒲郡市無形民族文化財の三谷祭(みやまつり)がありました。
何年か前の日曜日に、公共交通機関を利用して行って来た時の三谷祭の様子を紹介します。

三谷祭は、元禄時代から受け継がれる蒲郡市三谷町の産土神、八劔(やつるぎ)神社と若宮神社の例祭です。
4台の絢爛豪華な山車(やま)を曳き、八釼神社から若宮神社まで町内を練り歩いた後、山車を海に曳き入れる迫力満点の「海中渡御」が行われます。

JR東海道線の三河三谷駅で降りると駅前には、お祭りの飾り付けがされています。
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 JR三河三谷駅から歩いて3分、三谷祭の西の宮にあたる八劔神社につきました。
まだ8時半ごろなのに、もう神社の周囲は大賑わいでした。 
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八釼神社では8時半から9時半まで、各町内(三谷では、宮元の松区を中心に、上区、西区、北区、中区、東区の六区があります)ごとに神事が行なわれており、それぞれの模様の半纏姿の人が群れをなしてごった返していました。
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神社の前の大通には、西区、北区、中区、東区の4台の山車が綺麗に飾られて並んでおり、いつでも
出発できる体制ができていました。
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 神事が終わり、9時45分には八劔神社の前に並んでいた山車が、いよいよ東の宮の若宮神社のすぐ近くの海中渡御が行なわれる海岸に向かって笛や太鼓のお囃子を賑やかに奏でながら、一台づつ動き出しました。
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海に入るため、曳き手はみんな男性ばかりで下帯姿の上半身は裸です。
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西宮から東宮までの山車が通る道路には、邪魔な電線が横切っていません。
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三谷祭の山車は、海の中を進んで行くために、山車の横に2本の担ぎ棒が出ている変わった形をしています。
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 山車は、白く輝く三谷温泉の旅館が立ち並ぶ海岸に到着しました。
 海中渡御がおこなわれる海岸は、お祭りを見に来ている人で、すでにギッシリと埋め尽くされており大変な賑わいです。
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 10時45分に、花火の音の合図で4台の山車が一台ずつ海に引き込まれていきました。
 写真の左端の中央部から海の中へ入って手前の上り坂のところまで約300メートルの海中をゆっくりと進みます。
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見ている場所から遠いので小さくてよく見えませんが、海の中を山車を曳きながら海から上がる場所の方へゆっくりと移動してきます。
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2台目が岸に上がるところです。後ろにあと2台が続いています。
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3台目の山車の列です。
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4台目の山車が海から上がります。
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掛け声と共に、威勢良く一気に坂を駆け上がると、観衆から盛大な拍手が送られていました。
 
海から上がった山車は、若宮神社の境内に運ばれます。
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午前の行事が終わり一休みをしている4台の山車が若宮神社の境内に並んでいました。
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 このあと、午後の神事が若宮神社でおこなわれることになっているようですが、ここまで見て帰りました。

三谷祭の海中渡御は、「天下の奇祭」として受け継がれてきましたが、昭和34年の伊勢湾台風の影響による海岸埋立工事で海岸線が失われ、伝統の山車の海中渡御は、昭和35年の祭礼を最後に姿を消しました。

しかしその後、地元住民の強い存続意識に加えて、山車の海中曳き入れを復活する声が高くなり、若宮神社東の海岸において、平成7年には一台の海中試し曳き、翌8年の「創始300年祭」には4台を曳き入れ復活の途につきました。

昭和32年3月、蒲郡市は先に有形文化財として4台の山車を指定しました。
また、同に「三谷祭」を市の無形民族文化財に指定しました。

現在曳かれている山車は、上区「剣の山車」、中区「花の山車」、北区「三蓋傘の山車」、西区「恵比寿の山車」の4台です。
新造されたり大改修されたものでありますが、いずれも彩色彫刻の施された絢爛豪華な山車です。