2月21日(土)、岡崎市の北部にある滝山寺(たきさんじ)で愛知県無形民俗文化財に指定されている「鬼まつり」が行われました。
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この鬼まつりは、天下泰平・五穀豊穣を祈るもので、毎年旧暦の正月7日に近い土曜日に催されます。
国の重要文化財である滝山寺本堂に、巨大な松明(たいまつ)を30数本を持ち込み、半鐘・双盤・太鼓を乱打し、ほら貝が吹き鳴らされる中で、鬼や村人が松明に火をつけて乱舞する様は圧巻です。
鎌倉時代から続く800年の歴史があり、源頼朝の祈願から始まったといわれ、徳川三代将軍家光以後は幕府の行事ともなったそうです。

岡崎市の観光協会の情報で確認し、臨時駐車場に指定されている岡崎総合運動場に車を停めて、そこからシャトルバスを利用することにしました。
バスは有料(片道200円) でしたが、次々と発車していて、待たされずに乗ることができました。

途中、お寺から500mほども離れた所に「滝山寺の山門」がありました。
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この山門は室町時代前期の建立で、国の重要文化財に指定されています。
広大な領地を持つ滝山寺は、徳川家に保護され江戸時代には、三河一の大きなお寺だったとも言われています。
 
山門の横を流れる青木川に沿って県道を東北方向に進むと、滝山東照宮と隣接する滝山寺の入口に到着しました。
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東照宮の鳥居をくぐり、100段近い階段を登ると、祭り会場の滝山寺本堂前に着きました。
午後5時過ぎで、まだまだ明るい境内です。
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滝山寺の本堂も室町時代の建立で国の重要文化財に指定されています。
本堂の前には祭りの時に灯される大きな松明(たいまつ)が2本、置かれていました。
 
午後5時15分、
鬼まつりを演じる人達が本堂前に並びました。
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 演者の人達が、おまつりが上手くいきますようにと祈願しているようです。

 本堂前では、祈願を受けて「大役」の文字の提灯を持った人が、提灯を振って応えていました。
 裃(かみしも)姿で、腰に日本刀を差しています。
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午後5時20分・・・
境内にはだいぶ人が増えてきました。
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暗くなるまでにはもう少し時間があったので、お寺の本堂内にある祭りの鬼の面が見られるというので、拝観料を払って見せてもらいました。
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お面の他にも、おまつりに使う松明や小道具が並べられています。
棚の上の3つのお面は向かって左から、祖母面・孫面・祖父面です。
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 このお面をかぶって火祭りをします。
 
午後6時、
まもなく始まる夜の部に向けて、警備を担当する警察隊と防火を担当する消防団の皆さんが整列して任務の確認をしていました。
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 午後6時10分、
境内の隅にある控室から、火の着いた2本の松明(たいまつ)が抱きかかえられて現われました。
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松明は持ち運んで照明の役目をします。

祭りを演じる人の列は本堂の奥にある日吉神社へ向かい、長刀(なぎなた)の演技が奉納されました。
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松明の灯明は、拝殿の左右に置かれています。
 
続いて隣りの滝山東照宮へ移動し、ここでも同じように長刀の演技が奉納されました。
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 演技が終わると松明は消され、しばらくまた境内が暗くなりました。
 
午後6時半、
本堂の拝殿前で、鬼まつりの主役となる祖父面、祖母面、孫面をかぶる鬼役の3人が紹介されました。
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祖父面は42歳の厄年の人、祖母面は25歳の厄年の人、孫面は12歳前後の人がかぶることになっているそうです。

午後6時40分、
本堂前に置かれていた2本の大松明に火が灯されました。
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松明は、すぐに大きな炎になって燃え上がってきました。
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燃え過ぎないように、数人の人が桶に入った水を松明にかけて濡らします。
午後7時、
大松明の灯りを篝火(かがりび)にして、いよいよ儀式が始まりました。
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「庭祭り」と呼ばれる五穀豊穣を祈願する儀式です。 
「田遊祭」とも呼ばれる田楽の一種だそうです。
まず初めに、東次郎と呼ばれる演技者が登場し、長刀を廻して東の悪魔を切り払います。
次に西次郎が登場し、同じく長刀で西の悪魔を切り払います。
続いて、福太郎・コツボメと呼ばれる兄弟が鍬(くわ)を担いで登場し、田打ち・代かき・苗代つくり・種まき・田植えなどの農作業を演じます。
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演じる人の衣装とか、会話で使われる言葉は、鎌倉・室町時代のものが伝えられているそうです。
庭祭りの最後に、数人で田植え歌を歌います。
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 午後7時45分、
庭祭りが終わると、拍子木の音を合図に、鬼まつりのクライマックスの「火祭り」が始まりました。
内陣では半鐘・双盤・太鼓などが打ち鳴らされ、面をかぶった祖父・祖母・孫の3体の鬼が白襦袢を着け、松明を持った数十人の若者達に追われて外陣に走り出てきます。
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 本堂が、若者の叫び声と松明の炎に囲まれました。
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祖父面の鬼も祖母面の鬼も若者と一緒に、松明を持って走り回ります。

火祭りの鬼は悪い鬼ではなく、村人と一緒に悪霊を追い払うのだそうです。
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この時、本堂の縁の下では、防火服の消防隊が床に落ちた火の粉を消しています。
 
孫の鬼は右手に斧(おの)、左手に松明をもって、若者に抱きあげられています。
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 本堂が炎に包まれ、すごい迫力です。
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 ふたたび現われた孫鬼は、手に鏡餅を持っていました。
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炎の祭りは、およそ5~6分。
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午後7時50分、
松明は本堂の周りに置かれた水桶に投げ込まれ、あっと言う間に鎮火しました。
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本堂の照明が灯されると、煙と湯気が立ち込めています。
 
水で消された燃えかすの松明が並んでいました。
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激しい炎の火祭りでしたが、本堂の建物が燃えないように、祭りの日の朝から本堂には消防署の人達で大量の水が放水されているとのことでした。

帰り道は急な階段での事故が起きないよう、警備の人が絶対に押さないようにと呼びかけていました。
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帰りのシャトルバス乗り場の駐車場には、長い列ができていましたが、バスが次々と来てくれてそんなに待たずに乗ることができました。
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 さすがに愛知県無形民俗文化財に指定されている迫力満点のお祭りでした。