先日、名古屋市の東山動植物園方面に行く用事が有って、その帰り道で豊田市に向かって車を走らせていたら、ちょうど名古屋大学正門前に差し掛かった時、目の前に紅白に塗られた鉄塔が見えました。
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この塔は、テレビ放送がアナログ時代に、UHF帯の中京テレビ(35ch)とテレビ愛知(25ch)などの送信所として活躍した電波塔の「東山タワー」です。
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電波塔の近くに車を停めて、塔の周辺を散策してきました。
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東山タワーは「中京テレビ鉄塔」という名称も持つ電波塔です。
近くの東山動植物園内に建てられた展望塔「東山スカイタワー」の完成以降は、名前がよく似ていて混同されやすいことからか、付近住民も中京テレビの職員の間でも「東山タワー」の名称をあまり使わなくなっているという話もあるようです。
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名古屋に有るテレビ局初にして広域テレビ局唯一のUHF放送だった中京テレビが、昭和44年(1969年)の開局に合わせて中京テレビ局の敷地内に建設したものです。
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標高が65mの小高い丘の上に、高さ162mの鉄塔が建設されました。
標高と電波塔の両方の高さを併せると、名古屋市の中心地の栄にある名古屋テレビ塔(高さ180m)よりも高いことになります。
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テレビはアナログ放送が2011年7月に終了してデジタル放送に移行されましたが、この東山タワーでは名古屋テレビ塔と同様に地上デジタルテレビ用のアンテナを設置すると強度不足が生じると判断されました。
そのため、中京テレビとテレビ愛知両局のデジタル送信所は、NHKおよび他の民放局共々、新しく建てられたの瀬戸市のデジタルタワーの方に設置されました。

そんな時代の流れで、現在は使用されていない中京テレビの旧本社の建物の解体・造成工事が行なわれていました。
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2013年現在、この東山タワーそのものの耐久性は問題ないとされていますが、仮に維持した場合は7年ごとのペンキの塗り替え作業で維持費がかかり、仮に解体する場合でも中京テレビが試算を明らかにしないほどの撤去費用が掛かると見られています。
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付近の住民の中には「中京テレビが移転した際に鉄塔だけ残されても困る」という声も上っている中で、2016年10月、NHK名古屋放送局は老朽化したFM送信アンテナの更新のため、他のFM局と共に当タワーの従来より高い位置(中京テレビがアナログ時代に使用していた位置)にアンテナを移設したことを発表しました。
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アナログテレビの放送からFMラジオの放送用に電波塔の役目が変わって、中京テレビの移転後もしばらく東山タワーは残ることになったそうです。
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塗装したり点検整備など費用がかかりますが、名古屋市の歴史遺産として末永く残っていくように願っています。